腐るわたし

常温の世界に晒されて
体を蝕むスピードが上がる
処理をしなければ腐ってしまう
生きた人であればあるほど

他の人との交流はその体に風を吹き込む
新しい接触 刺激 揺れる細胞
つまり老いが進む 限界に近づくのだ
そして崩壊を始める

その死が怖くて堅く閉ざす道もある
凍らせて全てを止めて冷凍保存
その生き存えた先に何がある
何も無い未来に価値はあるか

腐り落ちた肉を自身の土の肥やしとする
そうすれば価値が生まれる
苦悩 もがき 渦巻く憎悪に苛まれた
過去に価値を与えるのは
紛れもなく今を生きるあなただ

昨日は腐る
今日へと繋ぐ
細胞を震えさせ
生命活動は続く

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