白い朝

白く霞んだ空の中遠くの信号機がよく見える
しっとりと膨らんだ水蒸気は
一つの幕のように今日の世界を覆っている
背景に感化されて街路樹の緑でさえも
色彩を抑えているようだ

濡れたアスファルトはタイヤの音が良く響く
語ることのない朝の街は
エンジン音だけが響いているように

今朝は音楽を聴く気分でもなく
そこにある音だけが耳に届く
だからそこにあるものだけが見える
そして嫌に自分の声が聴こえる

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