愛の歌

愛の歌を聞く人は
愛の歌を歌う人は
その世界に愛が溢れているのだろう
愛は大切でなくてはならない
愛は一人では成り立たず
誰かと分かち合う世界が
そこにはあるのだろう

恨み節の歌は世界に中指を立てている
殴りつける相手を見失った
あるいは手も届かないほど
遠くにいるあいつに
せめて秒速340メートルの
速さでたどり着くように
怒りと嘆きで満ち溢れている

言葉のない音だけの音楽は
より解釈を自身にゆだねて
不確かな意思の疎通を試みる
見えないからこそ理解が繋がったその時
視力では見えない世界がある

僕らの世界には音楽が溢れていて
音楽が鳴り続けていて
それぞれに必要な音楽を鳴らし続けてきた
その世界に相応しい音楽を
必要な音楽を

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