反撃

煙が上がる
反撃の合図だ
慣れない拳を固めて僕のために叫ぶんだ
傷つかないように大層な鎧を着込んで
地雷原を走っていく
嘲笑の雨をかいくぐって
素通りの風に身を切られながら
いつか見た鳥を探しに行く

攻め時と引き時と
かつての勢いと怒りと
アドレナリンまかせの特攻から
無様に砕け散った過去を拾って
今度はうまく出来ますように

誰も立ち止まらない路上から
埋れに埋もれた底の底から
世界の隅のちっぽけなところから
朧げに霞む色の無い喉の奥から
微かな煙が上がる

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