籠城

窓の向こうはガタガタと
日はすっかり沈んで暗闇
布団の中は暖かく
日の落ちた外はすっかり冬の様相
かろうじて昼間の日向は暖かく
部屋の中なら半袖でいい

玄関の扉を開ける時
隙間から木枯らしが流れ込む
共用部の廊下と階段を吹き抜けて
ずいぶんしっかりと風の音が聞こえる

朝一の出勤 夜の買い出し
すぐそこまで冬が来ている
今年ももう数えるほどだ

寒さは眠気を呼ぶ
寝たら死んでしまうと
そこまでの危機は思いもしないが
冷える寒さは受け入れがたく

そうして万全の策は籠城
我が一間の城に篭り彼の侵攻を耐え忍ぶ
食糧が底をつきそうだ
厳しい厳しい冬の陣

それでも人は目を覚ます
寒いからこそ目を覚ます
毛の無い体に着込みに着込んで
寒空の下を歩む

籠城冬眠引き籠り
春がきたら起こしてください

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