蝉時雨の午前中

8月晴れ 夏の日
追われることのない日に
惚けた頭に響くのは蝉の声

今日は何をしよう
明日は何をしよう
陽炎のように揺れる時間が過ぎる

何年越しの夏休み
学生の頃を思い出す
与えられた課題もない今では
さらに時間を持て余した

汗水流すことを美徳としたとしても
奴隷は受け入れ難いもの
夏の健全な暑さを生命活動の糧にしよう

暑くなれば涼み
寒くなれば暖をとる
過ぎた気温に文句を垂れて
春秋を求めたというのに
短くなる一方だ

深緑の葉は揺れず
滞った空気が温まる
少し湿気た匂いに染みる蝉時雨

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