実家カレー

母親の作ったカレーを思い出す
私の母は決して料理上手と言うわけではなく
当人も不器用だと話していた
それでも毎日の食事は母親が用意するものだと
家族が皆思っていた

カレーは手軽で量も作りやすい
野菜も肉も摂れるし私は子供の頃から好きだった
歳をとるごとに辛いものも美味しいと
感じるようになったが母は甘口の人間だったので
使うルーはもっぱら折衷案の中辛だった

今独り立ちをして毎日の食事は自分で用意する
手軽さと便利さの変わらないカレーをしばしば
作るが母のカレーにはならない

あのドロドロとした具の多い
肉はそれほどでもなかったが

辛口のルーも買えるし肉も多めに突っ込むけど
何か足りない気がする

母も私も歳をとった
そのうち実家カレーも食べられなくなる
今年は帰れるだろうか

コメント

タイトルとURLをコピーしました