仙人

この世にほとほと疲れ果てて
浮世を離れてしまいたいと
朝露だけ飲んで霞だけ食べて
カスカスに軽くなったら
フワフワと浮かびだすのだ

風に吹かれても抗うことなく
受け流すように身を任す
独りで浮かんでいても
寂しさに身を震わす事なく
飄々とお天道様に感謝するのだ

恨みや妬みを見下ろして
その地を這いずる様を遠目に
並み立つことのない水面の如く

高く登り過ぎてそのうち見えなくなるかもね
煙のようにそのうち消えてしまうかもね
記憶の中からも薄れるみたいにね

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