記憶をなくして

記憶をなくしたなら
夕日が綺麗な事を
見逃さないだろうか

好きな人と手を繋いだだけの
高鳴りを味わえるだろうか

時間を忘れた夢の中のような
それしか見えない世界の全てを
その世界の狭さを
そこにしかないと思っていた
だからこそ夢見た外への
無限大の憧れを

驚きや気づき見逃し
知らないことが素敵で
知ってしまえば二度と味わえない
忘れたとしても
それは知らないにはならなくて
思い出したにしかならなくて

今の経験のまま過去に行けたら
そんな妄想もするけど
思いのほか退屈なのかもしれない

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