日常のそこここに

水に体を沈める
水の流れが聞こえて自分の鼓動が混じる
深く息を吸い止めて水の中へ
この鼓動がゆっくり遅くなっていき
はたまた口を開けることで周りの水が流れ込み
肺に水が浸るのか
酸素は足りず遅くなるどころか鼓動は早くなる

こんなに苦しいのに
これ以上の思いはしたくない
階段の上の方から見下ろす時
夢の中で落ちた後目覚める時
車が横転したとしたら
あの飛行機が落ちてきたら
日常のそこここに転がる痛みの想像が
死ぬことへの恐怖を駆り立てる

死ぬのは怖い あたりまえに
死にたくはない 怖いもの
時折口にする無責任な言葉は
裏腹に 生きるのが怖いと
そう言っている

命なんて吹けば消える
儚いものだ
あっさり消えていなくなる
明日にでも

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