あなたが理由

私自身へ向けた棘は
誰もいないという諦めです
いつしかその自身へ向けた棘が
理由にならなくなったのは
あなたがいるからです

私を愛してくれる人など誰もいない
私を見てる人など誰もいない
私がいなくなっても誰も困らない
私が消えても誰も気づかない

そのどれもの誰もは
数字で表すと0となりますが
間違いなくあなたが
私の頭の中に浮かんでいて
どの角度から見ても私は
もう0ではないのです

それは半分困ったこと
逃げる場所がなくなったから
闇の中に逃げ込むことで
可哀想な私を抱きしめていました

それも今では身を隠すほどの
大きさの闇は失くなってしまい
そこかしこを照らしてくれていることで
私は別のところに来たのでした

ですから私は逃げられません
自身を消すことはできません
その理由があなたです

あなたにとっての私に
特別な価値はなくても
私にとってのあなたはもう
特別な価値なのです
あなたが私を嫌いでも
私はあなたが好きなのです

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