余計なお世話

夏の暑さだったり
秋の物悲しさだったり
夜の静けさだったり
低気圧の重さだったり

言葉にならない怠さと
毎日の苛立ちに振り上げた手を
遠くの人混みの中から見つけて

何ができるわけでもなく
何を持っているわけでもないのに
自身の両の手を見つめて
あの手を掴むのにどれくらい走れば
間に合うのかと
性懲りも無く考えている

みんな大丈夫
頼る先があるのだから
支える手がそのすぐ側に待っていて
バランスを崩しても大丈夫
倒れることはないのだから

息を切らして視界の隅で
それを見届けて踵を返す
また自身の道に戻る

余計なお世話が余計に終わって良かった
性懲りも無く
繰り返して

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